鮨 徳川家 鮨レビュー (2022/3/23)
こんにちはエイトです。
今回は鮨ログです。
今日は名古屋駅より2.4km。久屋大通公園付近の
「鮨 徳川家」
にお邪魔しました。
このビルの階段を上がった左手に位置するカウンター10席のお鮨屋さんですね。
時刻 2022年 3月24日 11時00分
人数 1人
駐車場は無いんで、近くに停めて下さいね。相場は30分500円程度です。(滞在時間は通常1時間ぐらいですかね。)
カウンターのど真ん中に席が用意されていました。
「この時間は貸し切りなのでゆっくりやりますね。」
と言っていただいた大将。
そうなんです。僕がランチに行くのは安いからでは無いんです。夜より人が少ないので大将と会話できるからなんです。鮨を通してのコミュニケーションがとれて、なおかつ安いので最高です。
さて、今回はコースをお願いしました。
先に申しておくと、大将がめちゃくちゃ良い人。
29歳で四人もお子様がいてる方で、謙虚で気さくだけど、真面目で丁寧なお仕事をされます。愛嬌のあるお方です。
なんで、何か評価させてもらうのが申し訳ないというか、大変恐縮なんですが、お客で来させて頂いてますので僭越ながらレビューさせてもらいます。
大将ごちそうさまでした。
一品目「のれそれ」
普通
のれそれ(アナゴの稚魚)がお出汁に浸かっています。
そうめんっぽい形式で頂きます。
なかなか、創作系については評価しずらいですが、のれそれって生でポン酢で頂くと思うんですが、火を入れてあげた方が骨などが口に残りにくくていいですね。ハリのある身の中にお出汁が入って面白い味付けですね。一品目にはちょうどいいです。
2品目「トラフグとカラスミの小丼」
めちゃ美味しい
トラフグの上にカラスミを削ったものをまぶしてあります。下にはシャリが敷いてあって丼物ですね。
高級食材と高級食材ですから、間違い無く美味しいですよね。
やっぱりフグの白子は絶品。フグ界と並びに白子界の王様ですね。
カラスミは実はあんまり頂いたことなくて、評価するほどの舌を持ってません(笑)普通に味付けは良かったです。
3品目「稲庭うどん。鮑の肝ソースのつけ汁」
普通
ごめんなさい。写真はないです。
これはやりすぎ。(笑)
創作しすぎです。話聞くと相当な時間かけてつけ汁作ってます。
味はフレンチ料理のソースみたいで、生クリームの匂いと味がします。ああ。やっぱり高級鮨業界って方向性に迷いがあるなーって思っちゃいましたね。心意気は素敵ですが自己満の世界のにおいがしました。
4品目「北海道毛蟹の茶碗蒸し」
美味しい
北海道の毛蟹かあ!って感じながら味わう事はできなかったが、中の茶碗蒸しのタネは美味しかった。具は入っていない。火の入り方がバラバラになるため、あえて入れていれてないとのこと。お出汁は繊細で、タネは固すぎず、また、柔らかすぎず、ちょうどいい舌触りだった。大将の、「最近のタラタラの茶碗蒸しは、卵スープのような感じになっていて、好感が持てない。」という意見を聞いて、全く僕と同じ意見だった。つまり、茶碗蒸しに対しての志は一緒で嬉しく思いました。
「プリンは滑らかですか?昭和っぽいかためのプリンがお好きですか?」と聞いたら、「どっちも好きだけど、固め派」だって。僕と食の好き嫌いが合う大将のようです。
以上が創作系料理らしいです。
一貫目「サヨリ」
まあ美味しい
これはネタにハリがあって新鮮でいい。煮切り醤油との相性が抜群でした。恐らくサヨリだけで頂くと美味しさとしては落ちるけど、煮切り塗ると増して美味しいと思った。
シャリは赤酢を使用していて、濃い味付けのシャリです。あと芯がだいぶ残った固めに炊いてますね。
ガリは2種類あるけど、塩漬けになった生姜を自家製つけ汁で浸けているようで、鮨を美味しく食べてほしいタイプのガリで辛味があって美味しいガリです。
二貫目「春子鯛」
非常に美味しい
これは丁寧な仕込みだなあと感じました。春子鯛は今が旬だし、おそらく良いモノを仕入れて、上手く仕込んで、綺麗に鹿子に包丁入れてます。
春子鯛ってみずみずしくてさっぱりのお味が特徴ですが、正直。ノドグロのように脂ののった、トロのような柔らかさが赤酢と絡んで一瞬で飲み込んじゃいました。これはうまい。仕入れも一流。仕込みも酢で浅めに〆て適度に寝かせてあるのが伺えた。旬のものは本当に美味しい。
三貫目「北海道産 北寄貝」
美味しい
美味しいです。実は貝類は帆立ぐらいしか頂かなくて...
基本は貝類は食感だと思っています。いらない水気を切って、隠し包丁を深めに入れて、歯切れのよいコリッとした食感で美味しいです。
四貫目「鰯」
普通
浅葱の微塵切りとゆずを練ったものが乗っていて、鰯の臭い消しに使用しますが、大概薬味の香りが強いんですが、臭いを消すギリギリの量でのせてあって良かったです。ただ、ネタとしての美味しさは、水っぽい感じでした。
シャリが大勝ちしていました。あと、固めに炊いたシャリの数粒に、炊ききれてないシャリが混ざっていて、食感がボソボソする場所があって少し違和感があった。
番外目
使用されているマグロの情報ですが、千葉県産の勝浦で取れたものを出しているみたいで。
それより、「やま幸」さん所から下ろしてもらっていることにびっくりした。
「やま幸」さんって言ったら豊洲の初セリを勝ち取るような所で、豊洲市場の鮪系の仲卸のトップの方。
鮪は間違いないものを入れているんですね。感動しました。あと、大将がすごい(笑)
五貫目「本鮪漬け赤身」
普通
味が濃いし、パンチのあるマグロ。良いマグロなのは舌で分かる。
美味しいけどネタの漬け味が濃い。
今まで白身で、塩味のバランスが取れてたから気づきにくかったけど、マグロで気づいた。シャリがだいぶ味が濃いのが際立ったかな。
シャリとネタが喧嘩している気がするのは何故か考えた。
ランチタイムにシャリは炊かないから、恐らくレンジで温めてるはずなんだけど、その時に米の水分が少なからず抜けちゃって、塩味が濃く残ったんだと思うのと、ネタの味自体も濃いのが合わさったのが原因かと思われるね。
六貫目「本鮪中トロ」
美味しい
これは美味しい。とろける鉄分含む鮪の香りと脂のまったりした舌触りと、固めのシャリが合う。煮切りが多い気もするが、やっぱ馬力が違いますね。もう少し塩味薄けりゃ、言うことないです。
いやぁ。本当に美味しいものは脳で感じますね。味わいに対する感想があんまり思い出せない(笑)光栄でした。
七貫目「穴子」
まあ美味しい
ドロッとした濃いツメを塗るタイプが好きなんですけど、こちらのはあっさりタイプの煮穴子でした。
ふっくらと、説明書通り炊いた感じの普通の鮨屋の美味しい穴子です。
十分美味しいですが、これから穴子の仕込みは改善していく気がします。なんとなくですけど徳川家さんはもっと美味しい穴子作ることができる気がする(笑)
「赤だし」
合わせ味噌な感じでパンチは無い。大将もそこまでこだわっては無さそう。
味も普通でした。ごちそうさまです。
八貫目「干瓢巻き」
ふつう
濃いいいいいです白ゴマの食感アクセントがいいですね。
干瓢の食感と対称的でユニークです。
これで5000円のコースは終わりでしたが、こっからは単品で頼みますよ。
ウフフ。
九貫目「ノドグロ」
美味しい
脂の乗った上ものですね。
なんと言っても炙りたてで皮目と身の間の旨味を引き出しているし、なんと言ってもネタとシャリの温度が完璧でした。
皮目はしっかりと火が入っているけれども、均等に温かい。人肌と同じ具合にされたネタとそれより少し温度が低いシャリがベストマッチング。聞くと800gの大きいノドグロを使用しているという。ノドグロは高級魚の中でも高い分類に入る魚で、家庭で簡単に買えるものではありませんし、400gを超えるノドグロは市場にもなかなか出てこないモノです。鮨屋の大将の仕入れの力量がわかる魚の一つですね。
身も分厚いし、白身のトロと言われるだけありますね。
十貫目「本鮪赤身」
美味しい
鮪の香りと鉄分の味がしっかりとする日本近海の良い漁場で育ったマグロですね。
ただ、シャリの塩味がとても気になる。塩辛いです。ネタがいいのに鮪に合わないシャリなのは残念。ランチタイムの宿命なのかな。お腹がいっぱいになってきた自分のせいなのかもしれないですが。
十一貫目「中トロ」
非常に美味しい。
これは美味い。鮪の良い鉄分の味わいと品のある脂乗り。万人受けする寿司ネタの王様であろう中トロ。本当に美味しい鮪って最近食べてなかったけれど、この中トロは本当に美味しいと思いますね。よく食レポで「口の中でとろけます!」って言うけど、半分間違ってるんだよなあ。あれ。
とろけ具合が問題です。ちゃんと噛み締められる最低限の歯応えがあって、その上でとろける脂が質の良い脂の意味合いだと思っています。この中トロは歯応えのある脂の濃い中トロで美味しい。
十二貫目「蛇腹部分の大トロ」
美味しい。
好みですが、中トロの方が好きです。
ディナーで出す部位のようで、冷蔵庫で冷やしてありました。
感心したのは、冷えた大トロを、温めた器に乗せて、人肌まで温めてから提供してくれました。
これが、おもてなしですね。他のお鮨屋さんもディナーで出すネタを昼時に食べさせてくれるんですが、早く人を回転させたいのか、冷えたまま握って出します。
絶対に冷えたネタは美味しく無いの分かっているのに、やってしまう大将も多い中、一貫だけのために美味しい状態で提供してくださる誠意。
自分。静かに感動していました。 僕はその所作に寿司屋の心意気を見ました。
濃厚な、ほわっと溶ける脂がシャリを覆います。美味いです。
十三貫目「車海老」
非常に美味しい
これは愛知県三河湾産の天然車海老です。
昔豊橋で食べた以来の天然もので、サッと湯がいて握って頂きました。
日頃養殖しか頂いてないんですが、車海老界の養殖技術も相当レベル高いので、一緒なものかなと思っていましたが、皮目はパリッとハリがあって、身は弾力があって、噛むと上品で香り高い甘味がフワッと広がります。日頃頂いている車海老と訳が違いました。身は小振りでしたが、満腹感もあってか、十分満足しました。
十四貫目「鉄火巻き」
美味しい
海苔は有明海のものを使用しているらしいです。海苔の香りが程よく香って、いい具合なんですけど、個人的にはもっと香り高い海苔の方が好きです色合いは黒くて好みですが、この黒色にしては香りが弱い。風味が少し抜けてるのかな?
余計な水気をとった旨味の強い鉄火に赤酢のシャリ。黒い海苔を使用した鉄火巻きは、高級鮨屋に来たなって感じますね。
煮切りを小皿に頂きました。 煮切り醤油は要らないです。煮切りも美味しいけれど、鮪系には合わないなと感じました。赤酢の塩加減で十分。
十五貫目「海ブドウと中トロのたたきの手巻き寿司」
これから美味しくなりそう。
「これは、試作品の段階でこれから仕上げていくんですけど、良かったら味見ていただけますか?」といわれましたので、「是非頂きます!」と二つ返事。
一貫分の寿司ネタを目の前でたたいて仕上げていました。沖縄県産の海ブドウを4本程のせて頂きました。中トロの量を増やすといい感じだと思いますね。海ブドウの食感が面白い。プチプチプリプリのアクセントって寿司には無い(数の子系とは違うしやな。)感覚なので、際立って目立つ存在ですね。
これに関してはこれから仕上がっていくものでありますので、味に関しては大将の完成品を召し上がって下さい。
完目~おわりに~
寿司に関しては、
1位春子鯛 2位中トロ 3位天然車海老 4位ノドグロ の順番で美味しかったです。
上記のネタが好きな人はお金払って行くべきです
大将のお人柄がとても素敵です。とっても気さくな方で、1時間半ほど長々と居座ってしまいましたが、その間もずっとお話させていただきました。正直、「やま幸」さんから仕入れている時点で鮨屋としての腕以外に人としての縁も大切にしているお方なんだなと感じました。最後の海ブドウトロ巻きは味見て欲しいと言われた時は、僕みたいな若造でも味の分かる人間と思って頂いたのかな?と思い。勝手に嬉しいというか。いい気分になっています(笑)
これからの鮨 徳川家さんの繁栄と発展を祈って。
すみません今日はロングストーリーでした。
以上!
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